夢と憧れが詰まっている。

音楽を聴くことも好きですが、漫画を読むことも昔から大好きです。

少女漫画、少年漫画はもちろん、大人向けから子供向け、女性向け、なんでも読みます。好き嫌いはあるにせよ、とにかく「漫画」なら基本的になんでも。
あ、ホラー系だけは苦手です。グロ系は最近少しずつ慣れました。少しずつ。

昔は本棚に入りきらないほどの漫画を所持していたけど、大掃除をしたときにその殆どを手放してしまった。(これには今でも後悔している…)


語りたい漫画はたくさんありますが、今回は少女漫画家の中でおそらく一番好きであろう矢沢あいさんについて。小学生の頃から大好きな漫画家さんです。
記憶は曖昧ですが、たぶん出会いは「ご近所物語」で漫画もアニメも大好きだったような気がする。残念ながら今現在なぜか我が家に3巻までしかないので、この作品についてはコミックスを揃えて全巻読み直してから出直したいと思います。

なので今回は、つい先日勢いに任せて読んだ「Paradise Kiss」と「天使なんかじゃない」について書かせて頂きます。


パラキスはZipper本誌での連載が終わり、しばらくして店頭で単行本を見つけて大人買い。物語も気になっていたけど、それよりもそのときは立派な装丁にヒトメボレ。
1回読んで、すぐにハマりました。
当時は細かく書き込みがされた綺麗な絵に惹かれていましたが、今読むと一人一人の葛藤や言動にグッと来ます。自分が登場人物より年上になったからかなぁ…。

ストーリーも間延びせず、長過ぎず短過ぎずの丁度良いボリュームだと思います。オチも賛否両論あったようですが、私はあれで大満足です。甘過ぎなくて現実的。
なんと言っても最後、ジョージから小包が届いてからの一連の流れは涙無しでは読めません!読むたびに鳥肌立ちます。

突然ですが好きな台詞を少々。

・紫「放課後が楽しみなのはアイツに会いたいわけじゃない  と思う」
この台詞はモノローグですが、これまでは徳森くんのことだけを見ていた紫が放課後になると足早にアトリエへと向かっていく。大きな心境の変化。
しかも、その徳森くんが紫のほうを見ているのに、紫はお構いなしで帰って行ってしまっているんですよね。1コマの中に各々の気持ちが表れていてきゅんきゅんしちゃいます。

・イザベラ「あなたにも魔法がかかったかしら」
女の子になりたかったイザベラが思い切ってジョージにそれを打ち明けた勇気も可愛いんだけど、悩みを進撃に受け止めて自前でドレスを用意しちゃうジョージには流石としか言いようがありません。
「女の子に生まれる事は出来なかったけど女の子の装いをする事でまるで魔法にかかったようにあたしの中に希望が生まれたのよ 美しい装いは人に勇気や自信を与えるわ あたしはそう信じてジョージと服を作り続けて来た」と思い出を語るイザベラからのこの台詞このふたりの関係…素敵。

・法司「これは本当に高嶺の花だな…」
徳森くんと一緒にショーを見ていた法司が、紫のあまりの綺麗さに呟く一言。ちょっと自信ないけど。ショー前の「好きな子がショーに出る云々」と話す徳森くんにもちょっとときめいたのですが、やはりこのシーンで赤面する徳森くんは可愛くてたまりません。
台詞も好きですが、ショーの紫は本当に綺麗でした。あのページ大好きだなぁ。

・ジョージ「構わないよ 針のむしろでドレスが縫える」
香に「地獄に落ちるよ?」と言われてジョージが言った一言。この台詞はきっとこの漫画でいちばん好きです。なんて格好良いんだジョージ…!
好き過ぎて特に語ることもありません…。

パラキスは大人になるほどじわじわ来る作品だと思います。
少女漫画特有のキラキラした雰囲気が苦手な人でも読めるのではないでしょうか。程良い甘さと苦さが共存していて、さらっと読めます。


対する天ないはもう20年以上前の漫画なんですね。小ネタに時代を感じる…。
これはつい昨日も読んだばかりなのですが、本当に何回読んでも終始泣きっぱなしで心が洗われます。輝きが眩しい。
ストーリーとしては王道の少女漫画。誰からも愛される人気者の翠と少しワルだけど心優しい晃の学園恋愛話。設定や展開こそベタベタなんですが、キャラクター一人一人が愛しくて話のテンポも良いので、一気に読めてしまいます。
ちょっと複雑な人間関係や駆け引きなんかもあるんだけど、それぞれのキャラのおかげで、そこまで重くなっていないのも特徴だと思う。

好きなキャラクターに関して言えば、翠と晃は主人公だし魅力的なのは間違いない。でも天ないには、それ同等、若しくはそれ以上に魅力的な人物が揃っている。
ひとまず私が誰よりも好きなのがマミリン。彼女は終始私を泣かせにくる。もはやマミリンが主人公なのではないかと思ってしまうくらいに。
翠に対して、タキガワマンに対して、この上なく純粋で誠実で優しいマミリンは本当に魅力的で可愛かった。しっかり者に見えて天然だったり怖がりだったり、そのギャップにやられた人も多いのではないでしょうか。
次第に心を開いていくマミリン、志乃ちゃんに真正面からぶつかっていくマミリン、必死でネックレスを探すマミリン、ケンを励ますマミリン、留学についてひとりで悩んじゃうマミリン、嗚呼マミリン。

そんな愛してやまないマミリンに次いで好きなのがタキガワマンと志乃ちゃん。もしかしたら私は翠と晃よりも、この三人のほうが気になっていたかもしれない。
美形で優しくて完璧なタキガワマンだけど本当はどこにでもいる男の子で、ふとした言動にそういう素の部分が見え隠れするところが本当に愛しい。
そんなタキガワマンのことが大好きだった志乃ちゃんも、最初こそ嫌な女だったけどマミリンと一揉めあってからの吹っ切れた感じは、とてもイイ女だった。

志乃「秀一は私にとってはいつも完璧だった 間違ってもあけっぱなしの体育倉庫でキスするようなことはしなかったのに くやしいな」
浜辺でばったり会ってしまったマミリンに言ったこの台詞に涙が止まらない。せつない。
そんなシリアスな後ろでふたりを見守る生徒会のみんなが空気を和ませてくれていて重くなり過ぎない。絶妙なバランス。このさじ加減が素晴らしいのです。

マキちゃんと将志さんもとても素晴らしいコンビで、学園生活にすべてを捧げる青春漫画ではこのふたりの大人の恋がいいスパイスになっています。
マキちゃんのお見合いの日にタイミング良く届く画板がせつな過ぎる。「I Love you Forever」だもん。そんなの届いたら、ただでさえ乗り気じゃなかったお見合いなんて行けるわけない。その裏で取り残される翠もとても可哀想だったなぁ…。
翠とマキちゃんの関係もとても素敵で、もともと翠はマキちゃんを尊敬していたわけだけど晃絡みで嫉妬もしていて。ちょっとギクシャクもしたけど最終的にはお互いを支え合っていたなと。それは将志さんと晃にも言えることだろうけど。晃が見つかったとき、なりふり構わず家を飛び出してきてくれたマキちゃんがとてつもなく可愛いです。

その他にもケンちゃん、ヒロコちゃん、晃や翠の家族、クラスメイト、足立先生、などなど本当に誰もが魅力的で大好きなキャラばかり。ところで志乃ちゃんとセブンは上手く行ったのかしら…気になって仕方が無い。第二期生徒会もいいメンバーだったなぁ。


こうして長々と文章を綴っていたら、早くもまたパラキスと天ないを読みたい衝動に駆られています。この調子だと毎日読んでは泣いてを繰り返す気がしてならない…。

名作はいつまでも色褪せないなと実感した次第であります。

 

 

 因みに矢沢あいさんと言えば「NANA」が主流なのかもしれませんが、私は途中で投げ出してしまったので初期の頃しか読んでません。どうにも話に入り込めず、あまりに浮き世離れした登場人物に引いてしまいました。劇場版は2作とも観た気がするので、そのくらいまではなんとかコミックスも読んでいたと思われる。
ひとまず話が完結したら一から読み直すつもりでいます。

そんな初期のイメージのまま言わせてもらうと、私は可愛いシンちゃんと俺様なタクミが好きです。以上。